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2008/10/11

自分のために

せっかく訊ねてくださったんですが、今日の記事は自分本位の読みにくい内容ですので、どうぞスルーしてください。 以前に書いておいた文章ですが、お蔵入りにしていて、でも昨日久しぶりに、ある方の記事を読んで勇気をもらったから、自分のブログだからアップすることにしました。もしちょっと相方のボヤキを聞いてやろうって思ってくださった方は長いですがどうぞよろしくです。

 

この前、会社帰りに、急いで定時で仕事を終え京都の端っこの総合病院へ向った。叔父の見舞いに、もう何度目になるだろか、この道を車で急ぐこと40分ほど。 近いとは言えないがさして遠くもない。 自分では二週間に一度と決めているにもかかわらず、今回は三週間も間が空いてしまった。 足を向けるのがちょっと億劫になる時もあり、自分で決めたことなのになんて意志の弱い人間なんだろう、など思いながら車を進めていた。病院に到着して、叔父の顔を見るまでが、ちょっとした勇気のいるこの道行には理由がある。 

叔父は実父の妹のつれ合いで、相方からすると義理の叔父にあたる。 冠婚葬祭の時くらいしか会うこともないし、そんなに親しく行き来する関係ではなかった。 でも、その人柄が心の温かい、逞しい優しいオッチャンという感じで、何十年か年月を重ねていくうちに、いつも心に残る存在となっていった気がする。 この叔父が寝たきりと聞き、ホントに驚いた。 少し会いに行くのを躊躇った。 なんだか怖かったからだ。

叔父が脳出血で倒れてから、半年以上になるだろうか・・・突然倒れて、手術・・・その後長い間の意識不明状態になる。 脳のダメージがひどかったそうで、運良く意識が回復してからも、また気の遠くなるほど長いリハリビが待っていた。 しかも寝たきりの状態で・・・。

 

そして半年以上経過した今、身体の状態は安定しており、全ての治療は施されつくし、これ以上の回復は見込めないそうだ。 運動機能がほぼ全滅、自分で動かせる部位は左手の手首から先が少し、他は全てこわばった状態で表情も思うように変えられない。 もちろん食事を摂る嚥下・咀嚼運動もできないからチューブで栄養を送っているだけ。 目は見えている、耳も聞こえる、が、話せないし理解しているかはよくわからない。 ほとんど解っていないだろう、と言われている・・・でも叔父は生きている。

自分のことに気がついてくれるんだろうか、なんと声かければいいんだろう。 初めてお見舞いに行く時は、胸がドキドキして叔父の反応を想像すると息が詰まりそうに苦しくなった。 これまで、悲しい現実に向き合う経験は年なりに、イロイロしてきたつもりだ。 父の最期を看取ったこと、若くして交通事故で逝った甥を想い長く立直れない家族との切ない時間・・・ほか、経験の回数分だけ図太くなってるハズなのに・・・。 

重い足取りで、病院の受付で教えてもらった叔父の部屋を探し、名前を確認した後、深呼吸して中に入っていった。 一番手前のベットに叔父は寝ていた。 目を開けていた・・・私に気がついたようで寝たきりで動けない叔父の、その視線がスーッと私に注がれ凝視している。 何か言わないと、声をかけないと・・・何か・・・・・

「叔父さん! ○○○です、○○○ですよ」 叔父の視線は鋭くそのまま私の目を見続けていた。話せないのはわかっていたから、こちらがひたすら話すしかないと思いもう一度

「叔父さん、ど~う? 久しぶりだよね~、しんどかったね~」

「叔父さん、わかる、○○○ですよ~」

うなづいた、叔父がうなづいた・・・・大粒の涙をポロポロと流しながら何度もうなづいたのだ。

解っていた、叔父はちゃんと理解している。 私は、その瞬間がまるで奇跡のよう感じられ、思わず動く方の左手を取り笑顔で返事をした。 

「年取ったから、わからんかと思ったよ~、よかった!わかってくれて」 ホントは泣きたかったけど必至で我慢した。 会話はできないけれど意思の疎通ができた喜びもあったから、正直に嬉しかった。 しばらく自分達の家族のこと、父や母のコト、姉の長女に女の子が生まれた事などを短く話し、静かに、涙を流しながらうなづいたり、笑みを浮かべたように見える叔父の顔を見ていた。

その日は持っていった花を生け、また来るね、と言い残し、何も言わない叔父の病室を出た。辛かった、胸の中がぐちゃぐちゃになったようで、とにかく泣けた。 車の中で思いっきり泣いた。 ひとしきり泣いた後で、自分の頭の中でこの事を整理したみた。 

泣いている場合じゃない。 動けず寝たきりで、植物人間のようだけど理解はできているらしい叔父が、ちゃんと反応してくれた事実を、しっかりと受け止めなければ。 叔父には彼が反応すること、少しでもドコかが回復する兆しが起こるような刺激が必要なんだと、私にはハッキリとした確信のような考えが芽生えた。 もっと、もっと刺激を与えてあげないと・・・・でも、それは難しい。

叔父にはつれあいがいない、というか早くに(15年前)ガンで他界している。 息子は独身で働きざかりの社会人だから、平日は病院には行けない。 仲良くしていた叔母(父の妹で亡くなった妻の姉)が、時々訪ねて世話をしているらしいが、年もいってるしなかなか大変で・・・

もちろん完全看護の評判もいい病院だけど、叔父の周りにしょっちゅう訪ねて声をかけてあげられる人があまりいないのが現実だった。 かといって・・・・・。   

ずっと続く、叔父の闘病生活の少しだけでも私が声かけ役になれたら、という思いを、ちゃんと実行できるように、自分の中で決めたのが、この病院への道行きの理由なんです。 ちゃんと果たせるように、どこかで口に出しておこう。 と前から思ってて、ブログにアップしようと何度も思い、また思い直し・・・・・今日、記事にしました。

 

もし、読んでくださった方がおられましたら、こんな自分本位な記事にお付合いくださり、本当にありがとうございました。  そして、心からUさんに感謝します。

 

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コメント

皆さん、それぞれ、自分の生活があり、その中で、時間を作ってのお見舞いは、容易なことでは無いでしょう。
相方様は、本当に、情に厚い方ですね。
叔父様には、その気持ちは充分伝わっていると思います。

投稿: qchan | 2008/10/11 15:35

qchanさんと同じく、
相方かあさんは愛情の深い方ですね。
初めてのお見舞いで相方かあさんを
見た叔父様は心から嬉しく思ったことでしょう。そんな叔父様を思うと読んでいて
涙がとまりません。

自分や家族の生活があり、
お仕事も持っている中での
お見舞いは大変だと思います。
どうかご無理はなさいませんように。
相方かあさんの愛情は必ず叔父様はわかってくださっていますよ。

投稿: ミツルリのお母飯 | 2008/10/11 22:11

なんと言っていいのか・・・クローズにしてなかったもので、こんな記事にもコメントをくださり・・・・
ありがとうございました コメント返しです。
 
 
>qchanさま
相方はね、ホントはすごい我が儘でね、自分のしたい事は必ずする、できない事はできるようになんとかする、人に対しての諦めが悪いというか、勝手な人間だと自覚しています。
この自分をコントロールするのはなかなかですよ・・・
いつもありがとうね、ホントに。
 
 
>ミツルリのお母飯さま
諦めが悪く、勝手で、お節介の相方が、自分を制して暮らすのはなかなか大変です。
ちょっと苦労しながら、思うように出来なくて自分を責めたりすることがあるんですよ。
なかなか綺麗に大人にはならせてもらえませんね、偉そうなことは言えないかな、ふふ。
コメントありがとう、嬉しいです。

投稿: 相方 | 2008/10/12 01:03

すぐに、コメントをしなくてごめんなさい。
じっくり、何度も読ませていただいてから落ち着いてコメントを書きたいと思ったからなのです。
相方さまのされていることは、叔父様にとって最も嬉しくてしかもこれからの生活に必要なことと思われます。

なかなか誰もができることではなく、しようと思いながらもついつい後回しにしてしまいがちなことでもあります。相方さまはだからスゴイ方です。尊敬!です。

ヒトは老いること、病気になること、障がいを持つこと、もちろん死に対して無意識の恐怖や不安を抱えていると言われます。ですから、それに直面することは、とても勇気の要るつらいことなのです。

ワタシの記事の中に「臨床瑣談」という中井久夫先生の本が出てきますが、そのなかにご自分の義父が脳梗塞で昏睡状態に陥ったときの先生のエピソードが出てきます。

「昏睡からのサルヴェージ作業の試み」として綴られたその対処法は、天才的な医師としての該博な知識に支えられたさすがとしか言いようのない内容でしたが、その中にある一節を、引用してみます。ちょっと、長くなるかもしれませんが・・・

「1974年前後に名古屋市立大学の看護研究会で、昏睡状態の覚醒にはナースが囁きかけるよりも、肉親の囁きの方が有効だったという発表があったのを思い出した。(中略)
聴覚の識別性の高さのたまもので(中略)最も可愛がっていた肉親に柔らかい声であたたかな言葉を囁き続けてもらうこと」が有効なのだという内容なのです。(p63)

もう少し引用します。
「視覚とちがって、囁きはいくらつづけてもよい。(中略)聴覚は低エネルギーの非常回路を持っているらしく、エネルギー消費が少ないそうだからであるが、(中略)喜怒哀楽とのつながりが大き(中略)」く、「周囲が匙を投げていない内容の声を聴くと、それ自体がプラスの働きをするのではないか。」(中略)「では、昏睡患者に呼びかけても、さしあたりまったく反応がないのはなぜだろうか。(中略)周囲はさかんに呼びかけるが(中略)患者からの呼びかけがないので落胆する姿をよく見かける。これは、応答ができないからである。下顎は全体として何百グラムかあって、動かすのが病人には大仕事である。」(p63~64)

長々引用しましたが、昏睡から覚醒に導くことに聴覚への刺激が如何に大切かを示唆しています。叔父様は幸いにも意識を回復され、身体機能は思うままにならないことの方が多いようですが、相方さまの訪問や声かけはどれほど叔父様の励みになっていることでしょう。

仕事上、寝たきりの方々と接することも多いワタシとしては、大変でつらい相方さまのお気持ちもお察ししますが、できれば叔父様への訪問を無理のない程度につづけて欲しいなと、思います。

病人は、敏感です。相方さまが疲れているのに無理をしているとか、相方さま自身が何か悩みを抱えていて元気がないとかいうことを、すぐに察します。なので、本当に気分が落ち着いている時、楽な精神状態のときに訪問されることを願います。

くれぐれも、義務感に囚われすぎることのないようにね。叔父さまは、幸せだよ。もちろんお姉様もね。優しい相方さまへ。

感謝をこめて、記事のような(笑)コメントしちゃいました。しかも仕事モード入り。
ごめんよ!

投稿: 裏香織 | 2008/10/12 07:06

 
おはようございます。 ここだけ先にコメント返し2です
 
 
>裏香織さま
う、で一発変換「裏香織さま」の喜びを噛み締めております。
ありがとうございます、なんというかアフォな相方の拙い文章に丁寧なご指導をいただき、嬉しい限りでございます。 ひょっとして、良きアドバイスが頂けるのかも、という計算マコちゃんだったかもしれません。 そんな相方に応えてくださり、ホントに感謝しています。
これからも、イロイロ教えてくださいね。弟子仲間じゃなく師匠と呼ばねば・・・ふふっ。

投稿: 相方 | 2008/10/12 09:12

うなづきながら今、読ませていただいてました。
家庭、仕事と奔走されている日々の中に
おじ様に会う時間を捻出して青いUFOかっ飛ばしているかあさんを思い描きながら。
きっとおじ様は理解し、感謝されていることと思います。

いろんな思いが入り混じって、ほんの10分車を走らせれば会える父方の祖母のところへ、最近いけていません。
それこそいろんな思いがあって。でも、ずっと気にかかってはいるのです。
明日、いってみよう。
相方さま、ありがとうございます。

投稿: saco☆ | 2008/10/12 15:12

 
コメントありがとうね コメント返し3です。
 
 
>saco☆さま
いえいえ、なかなか思うようにいかないんですよ。
しんどい事から目をそらし、楽な方へ流されることも多くてね。
年配の方は、訪ねてあげると喜ばれると思いますよ。
あんまり、コチラが無理してもねぇ。でもちょっと気持ちの後押ししないと出来ないこともあるからね。 とは言え↑義務感になるのは良くないんだって・・・。
感想コメントをくださり嬉しいです。
 
 
相方

投稿: 相方 | 2008/10/13 00:35

このお話を読ませていただいたり
こういう事に自分自身で直面したりして思う事は、
現実はドラマとは違い、都合良く場面場面は切り替わってくれないのだ・・・
っということ。
悩んでいても、悲しくても、止まらず綿々と流れる時間の中で
自分がそれにどう向き合っていくのか・・・。
一番大事なことはそこですよね。
相方かあさんの優しい気持ち、言葉・・・叔父様の心に届いているはずです。
そして相方かあさんの決意・・・ふぁいと!です!
時にはぶれちゃうことだってありますよ、生きているんですもん。
そんときゃ、よいしょ!って歩き直せば良いのだと思います。
叔父様の容態が少しでも良くなりますように。

投稿: ピュンピュン丸 | 2008/10/13 11:00

 
こんばんは、遅くなりゴメンなさい。コメント返し4です
 
 
>ピュンピュン丸さま
この記事にコメントをありがとうございます。
うん、決してドラマじゃないね、で、綺麗じゃないしね。
それが、そんなに優しくも、強くもないからね。ブレブレですよ、まったく。
いっつも、よいしょ、よいしょって言ってる気がしますね。
決意とかでもしないと、なかなかできませんからガラにもないですが。
応援をいただき嬉しいです。 頑張ります、力の限り、欲しがりません勝つまでは←戦前用語、えへ。
 
 
相方

投稿: 相方 | 2008/10/13 23:48

はじめまして…
[富士丸な日々]から
こちらのブログを知りました。
私も、母親の事で
色々な葛藤が有りました。
*2年前にお星様に…

どうか、ご自身を責めないで下さいね…

カイ君の笑顔に癒やされてます。
ごめんなさい
意味不明なコメントになってしまいました。

投稿: BLUE SKY | 2008/10/16 17:07

 
ここ先に、コメント返し5です
 
 
>BLUE SKY さま
ようこそ、いらっしゃいませ。 丸君の所からですね、相方、大好きで時々コメントを入れさせてもらってるからね。 あ、ココでは管理者の相方です。 ほかのブログさんでもお見掛けしたことありますよねぇ。 こんな、読みにくい記事にコメントをありがとうね。 
 
そうでしたか、悲しい事が早くに起こったんですね、まだお若いのにお辛かったでしょうねぇ。 お寂しいでしょう、でも、星空の彼方からあなたの事をずっと見守っててくださってます。風になってあなたの周りを包んでくださっています。
 
今日は相方かあさんに優しい声カケをくださり嬉しいです。 ひょとして、前にお目にかかってませんか? どこかのライブで目の前にいらした、可愛いメガネのお嬢さんじゃないでしょうか・・・。違ってたらゴメンなさいね。
では、では、こんなブログですが、また覗いてくださいましね。
 
相方

投稿: 相方 | 2008/10/16 22:14

日付が変わって…
(//▽//)m(_ _)m
こんばんは…
昨日は、優しいコメント返しを戴きました。有難うございます。

眼鏡を掛けた…
にドキッとしましたが(苦笑)
残念ながら私では有りません…
(//▽//)眼鏡を掛けていますが…
若者では無いのです

世間的に言う…
負け犬…
なんか悲しいな~
[独身貴族]な
BLUE SKYです(笑)

これからも、時々
お伺いさせて下さい

お休みなさい
(*v_v*)zzZ

投稿: BLUE SKY | 2008/10/17 00:29

>BLUE SKY さま
いえいえ、ご丁寧にどうもです。
簡単ですが、またどうぞ、ありがとうございました。
 
相方

投稿: 相方 | 2008/10/17 01:08

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